2018年8月31日(金)

2018年8月31日(金)

朝日新聞 朝刊【オピニオン面】

池上彰の新聞ななめ読み

毎月最終金曜日に連載されている人気コラム「池上彰さんの新聞ななめ読み」。今回は地銀の経営統合を巡る公取委の独立性を、朝日と日経が報じる記事を元に疑問を投げかけている。文末には昨年の流行語に選ばれた「忖度」の文字が久しぶりに踊る。

低金利政策で苦境に立たされている地銀を統合して効率化を進めたい金融庁。それでは地域で独占状態が発生して困る立場の公取委。記事に出るふくおかFGと十八銀行が経営統合を打ち出したのは、おととしだが当時は公取委が待ったを掛けた。それに金融庁が反発して今年4月に、統合の必要性を訴えるリポートを発表した。

注目された結果を8月24日朝刊で初報したのは日経だった。朝日は当日の夕刊トップで追いかけた。翌日25日の朝日新聞朝刊では、6月に官邸肝いりで開催された「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)で地銀のあり方が議論されたと報じられた。その会議では具体策が打ち出された訳ではないようだが、「公取委への牽制になったのでは」との声があったようだ。ここからが池上節だ。「これが本当なら忖度が働いたのでしょうか。公取委の独立性が問われる事態ではないのか」。

私は新聞8紙を読んでいるが、この「新聞ななめ読み」を読むたびに「そうやって読むのか!!」「そんな角度で読めばいいのか!!」の感嘆の連続だ。やっぱり新聞って面白い。

 

 

朝日新聞札幌中央販売(株)
取締役営業本部長 吉井 仁