彼女の祈り

彼女の祈り

2020年 4月20日 朝日新聞朝刊 国際面より

イタリア北部にあるクレモナにて、バイオリンの美しい旋律が響き渡った。演奏者は日本人バイオニスト横山令奈さんである。横山さんは、クレモナの音楽院で音楽を学び、現在はクレモナにある博物館で、展示楽器の音色を訪問者に聴いてもらう演奏を任されている。コロナウイルス患者への治療の最前線となっている病院からの依頼により、病院の屋上から演奏を行った。

クレモナでコロナウイルスと闘っている医療従事者や患者は、彼女の演奏からきっと、希望や勇気をもらったと思う。そして、不安を一気に拭い去るほどの力がその演奏にはあったのではないだろうか。医療従事者への感謝と、患者たちが再び音楽や芸術を楽しめる日が来るようにという彼女の祈りも、きっと届いたはずだ。

彼女の演奏とは違い、日本のテレビやネット、新聞はマイナスなことばかり報道し、国民の不安を煽っていると思う。彼女の演奏のように国民に希望を与える報道をすべきだ。報道の仕方ひとつで、国民の意識は大きく変わるはず。報道姿勢を見直すこともコロナウイルスの収束につながるのではないだろうか。

ところで、イタリア北部のクレモナってどこ?

朝日新聞札幌中央販売(株)

2020年4月入社:秋山 大地