2019年04月28日(日)

2019年04月28日(日)

2019年4月28日 北海道 朝日新聞 朝刊13版 文化文芸面 論×論×論より

沖縄の歴史 問われる語り方

Voice5月号に掲載された「著者に聞く 真藤順丈(作家)『宝島』」に関して、上智大学教授の宮城大蔵さんがコメントを寄せている。

新人作家に贈られる芥川賞に対し、中堅作家のエンターテイメント作品に贈られることが多い直木賞。真藤順丈さんが第160回直木賞で受賞された『宝島』はアメリカ統治下の沖縄が舞台である。当時、軍の基地に忍び込み、盗んだ物資を貧しい人へ配っていた義賊がいた。地元の方言で「戦果アギヤー」と呼ばれる三人を主人公として、この物語は進んでいく。

宮城さんは「人間的共感を呼び起こす小説の圧倒的な力を思い知らされた」「ずいぶんと大胆だな」と感想を述べている。沖縄の誇り高き『宝』を奪った二つの国、アメリカと日本。変わりゆく時代で風化させずに、今日まで続く歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

一方、『四畳半神話体系』以来ファンである森見登美彦さんの受賞を今年こそは、と願っていたのですが、今年も残念でした。候補となった『熱帯』は本屋大賞にもノミネートされており、こちらも面白いので是非。

 

2019年4月入社 笠井優大