ラグビーとサッカー、「競技柄」の違い

ラグビーとサッカー、「競技柄」の違い

44日間にわたって列島を沸かせたラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会が幕を閉じた。準優勝したイングランドは9月22日の札幌ドームでの初戦でトンガに快勝し、弾みをつけて決勝まで駆け上がった。

私が前回、札幌に勤務していた2002年、札幌ドームはサッカーW杯日韓大会の会場だった。当時、人気絶頂のデビッド・ベッカム選手を擁するイングランドが南米の強豪アルゼンチンと対戦している。

ラグビーも、サッカーも母国はイングランドだ。同じドームで戦うラグビーイングランド代表の姿を見ながら、私は以前取材したサッカーの18歳以下日本代表元監督・清雲栄純さんの話を思い出した。

清雲さんや作家林真理子さんの母校である山梨・日川高校はラグビーが「校技」だ。サッカー部の3年だった1969年、清雲さんは俊足を買われて大阪・花園ラグビー場での全国高校ラグビー大会に出場、初の8強進出に貢献した。その後、法政大から古河電工に入って2年目の74年、サッカー日本代表に選ばれ、イングランドへ短期留学する。サッカーとラグビーについて「本家」では、自虐的な表現ではあるが、こう言われていたという。

「野蛮人がする紳士のスポーツがサッカー。紳士がする野蛮なスポーツがラグビー」

02年のサッカーW杯の期間中、イングランドのサポーターが大挙して札幌に現れた。白地に赤い十字の「国旗」をデザインしたTシャツ姿のまま、何十人も大通公園で野宿をしていて肝をつぶした覚えがある。

今回も、イングランドをはじめ海外から大勢のラグビーファンが札幌を訪れた。野宿は目にしなかった半面、ファンが飲み干してススキノ界隈ではビールが一時品薄になったと聞いた。サッカーW杯のとき、こうした鯨飲は話題にならなかったように思う。

これも、お国柄ならぬ「競技柄」の違いだろうか。

朝日新聞北海道報道センター記者 田中啓介