スポーツ雑記8月号

スポーツ雑記8月号

みなさんは「道産子スプリンター」と言えばどの選手を挙げるだろうか。男子ならば08年北京五輪の400㍍リレーで銅メダル(※1)を獲得した高平慎士(旭川市出身)、日本勢3人目の9秒台となる9秒98をマークした東京五輪候補の小池祐貴(小樽市出身)、女子は五輪3度、世界選手権4度の日本代表歴を持ち100㍍、200㍍の日本記録保持者でもある福島千里(幕別町出身)が、陸上ファンのみならず広く一般の方にも知られていると思う。
今回は、昨年の日本選手権女子100㍍で29年ぶり高校生女王に輝いた注目株、御家瀬緑(みかせ・みどり、札幌市出身)にスポットを当てたい。今春、住友電工入りした御家瀬は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催延期されていた8月23日のセイコーゴールデングランプリ東京(国立競技場)での社会人デビューを心待ちにしている。
コロナ禍で待ちに待った今季初戦に御家瀬は「自己ベスト(11秒46)くらいの走りができればいいなと思ってます」。徐々に良い感覚をつかんでいき、連覇がかかる10月の日本選手権で1番良い走りができるように調整。今季中に11秒4を切るタイムを目指している。昨秋に痛めた右足甲も完治、冬季間は走れない時期が長く体の動きが鈍かったというが、キレも徐々に戻ってきている。
あこがれの福島と同じ、高校卒業後に実業団入りの進路を選んだ。小学6年時に福島が所属していた北海道ハイテクACのジュニアチームの門をたたき、同ACの中村宏之監督が指導する恵庭北高に進学し、間近で日本女子短距離界のエースの背中を追うことで実力をつけてきた。加えて、住友電工にひかれた理由の1つに同じ道産子の小池の影響があるという。
御家瀬の最大目標は24年パリ五輪になるだろうが、1年延期となった東京五輪も準備期間が増えたことで「目指せる」ものに変わってきた。「(東京)五輪までの約1年間でできる限りのことをやって力をつけていきたいと思います」。今後、熾烈(しれつ)を極める五輪代表レース、伸び盛りの〝スパート〟から目が離せない。
<日刊スポーツ長内 準>(※1) このレースで金メダルっを獲得したジャマイカのネスタ・カーターがドーピング陽性反応を示し、17年に銀メダルに繰り上げ。

<写真説明>

18年7月の日中韓3カ国交流大会女子400㍍リレーで日本の4走を務める御家瀬(手前)