「創成東、人とつながる街」

「創成東、人とつながる街」

 札幌市中心部を南北に流れる創成川。その東側の地区に住んで3年になる。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で最近は人通りが少なくなったが、
川の近くにある二条市場は観光スポットとして有名だ。北海道神宮の頓宮がひっそりとたたずみ、
路地を入ると、チョコレートの専門店やロールケーキがおいしい店もある。
北海道新幹線の札幌延伸もあって開発の声が聞かれる地区だが、
マンションや小さな商店が立ち並ぶ、この街の雰囲気を気に入っている。
そんな創成東地区で街づくりに取り組んでいる人がいる。
「一般社団法人 さっぽろ下町づくり社」の柴田寿治さんだ。
二条市場の向かい、寿珈琲店の店主でもある。
きっかけは、この地区のまちづくりを目的とした札幌市などによる勉強会だ。
柴田さんらが「自分たちにできることから始めよう」と2015年、
頓宮で「さっぽろ下町マルシェ」を始めた。
野菜や炭焼きの海鮮を売り、子ども向けのワークショップも行う。
1日で千人が集まる催しに育った。その後も地区では「さっぽろ下町づくり社」を中心に
エリアマネジメントの活動が続いている。
「地域の魅力を発信して、ヒトとマチをつなげたい。そのうえで街づくりに関わる人を増やす。
そうしたつながりを作る地域のハブ(結節)役でありたい」と話す。
18年9月の胆振東部地震では、頓宮に避難してきた人たちへの炊き出しに関わった。
店の客や若者も巻き込んで支援をし、地域のつながりの大切さを強く感じたという。
創成東地区はここ15年で人口が倍程度に増えており、今後も開発が続く見込みだ。
「開発が進んでも『下町』らしいつながりが安心・安全を生む街にしていければ」と柴田さん。
「つながり」を実感することで、落ち着いて暮らせる。より魅力的な街になっていくことを期待したい。

                                                                        朝日新聞北海道報道センター次長 天野彰人

 

【写真説明】 創成川から東方を臨む。二条市場の後ろには高層マンションが見える=札幌市中央区